生地幅、生地方向、柄リピートについて
生地幅について
生地幅とは、図のように生地の反物(たんもの)の一定の幅のことです。
生地により生地幅は異なります。
生地方向について
生地には使う方向があります。
タテ使いとヨコ使いです。
通常はタテ使いのものが多いのですが、ヨコ使いのものもありますので、ご購入される際は生地方向を必ず確認してください。
何故ヨコ使いがあるの?
ソファなど横幅の長い椅子にはヨコ使いの生地が適しています。
もちろんタテ使いの生地でも問題ありませんが、生地を繋いでいかないといけないので繋ぎ目が出ます。
ダイニングチェアなど面積の小さいものに張る場合は、タテ使いでも横使いでもどちらも大丈夫です。
柄リピートについて
柄リピートって何?
生地には柄があり、その柄の一定の繰り返しのことをリピートと言います。
各生地の規格に柄リピート:タテ○○cm、ヨコ○○cmとありますので、ご確認ください。
*表記されている生地幅・柄リピートは実際には僅かに異なる場合がありますが不良品ではありません。
特に天然素材を使用している生地の場合、環境により生地に変化が起こりやすくなります。
織物であるという特性上特定の方向に力が加われば当然伸びや変化が生じます。
タテ使いの生地の場合 生地をタテ方向に使います。 柄は生地幅に対して垂直方向(タテ方向)に柄の先頭〜次の同じ柄の先頭までが1リピートとなります。 |
ヨコ使いの生地の場合 生地をヨコ方向に使いますが、タテ・ヨコリピートの表記は 下図のように縦方向で見た場合のタテとヨコになります。 間違えやすいのでご注意ください。 |
|
|
||
*タテ使いの生地は、生地を接ぎながら使うことができるように柄合わせが出来るようになっています。 | *ヨコ使いの生地は、生地を接ぎながら使うことはありませんので柄合わせは出来ないようになっています。 |
生地はどの位置から柄がスタートして出荷されるかわからず、裁断する位置のご指定もできません。
欲しい柄が全部綺麗に入っていないこともあります。
同じ1メートルでも取れるリピートの数は異なります
*実際に1mの中に50cmのリピートが綺麗に二つ取れるケースはほとんどありません。
2リピート入ってる |
|
確実に1リピート分を確保したい場合は、最低発注数量が1m(10cmx数量10)となりますので
柄リピートが50cm以上のものは特に1リピート分以上多く生地が必要となります。
椅子の大きさ(タテ・ヨコ・厚み)と巻込み分を考え、更に生地の柄のどの部分を使うかなども考えましょう。
柄パターンの例
購入する生地によって柄がどのような配置になっているか、また柄のどの部分を椅子に張り込みたいのか考えながら生地を選ぶのも楽しいですね!
大きい柄 | 規則正しく並ぶ柄 | 様々な方向を向く柄 |
---|---|---|
利点 張った時のインパクトは大! |
利点 柄の配置が分かりやすいので、 柄リピートを考慮しての必要数量の計算が比較的し易い |
利点 生地の向きは関係なく使用できる 取り方によっては無駄なく使用できる |
注意点 張る椅子の大きさと柄の大きさとを考える 1つの大きな柄をフルで必要な場合は、 2リピート必要になる(上記「柄リピートについて」参照) |
注意点 いくつかある椅子に全て同じ柄を 使う場合は、柄の取り都合で 生地に無駄が出る可能性が高い |
注意点 ベルベットなど生地自体に目(糸の方向)がある場合は、生地の目の方向をも考えながら柄リピート計算が必要。 |
色・形違いが混在する柄 | 細かい柄、全体柄 | ストライプ |
---|---|---|
利点 ダイニングチェアなどは、 個々に異なる柄を見せることができて楽しめる |
利点 どの部分を取っても問題ないので比較的使いやすく、 生地の節約使いもできる。 |
利点 ヨコリピートのみで、タテリピートはありません |
注意点 柄のどの部分を使うか考えながらの計算が必要柄の取り方次第では無駄がでることがある。 |
注意点 ダインングチェアなど全脚同じ柄の出方で揃えたい場合は、細かい柄リピート計算が必要 |
注意点 生地タテ使い・ヨコ使いによりストライプ方向が変わる(上記「生地方向について」参照) |
無地を使った生地の計算の仕方について
生地の計算の仕方は、生地方向や柄パターン・リピートにより異なります。
ご自分で張り込む時に多少柄がズレてもそれはそれ! 気にせず楽しんでください。
ここでは最も簡単な無地の生地を使った場合の計算方法をお教えします
例 椅子: ダイニングチェア 座面のみ x 4脚分
使用生地: 無地
50cm x 50cmの座面 |
座面50cm + 巻込み分10cm(5+5cm) = 60 cm 2脚分で約120cm |
無地生地なら約1.2mでダイニングチェアの座面が4脚分張り替えられるということになります。(もちろん座面の大きさにより生地の必要数量は異なりますが)
椅子の張替えってそれほど多くの生地を使わなくてもできちゃうんです!